2012年12月21日金曜日

非筋肉系のダンス (2006/11/30)

昨日は、京都で教えているジャワ舞踊の教室へ行きました。たまたま、他の方々が休みだったので、Mさんひとりでした。Mさんは、ジャワ舞踊の講座に来られて、半年ぐらいになります。 いつもレッスンは、ストレッチから始め、 次に、足を合わせてまっすぐに立ち、ただガムランのリズムに合わせて、左右に揺れる、 「波 ombak banyu」 の動きをやります。 Mさんは苦戦していて、よくバランスを崩して、「おっとっと・・・」になっています。 昨日はひとりだったので、少しリラックスして、ゆっくりお話をしました。そうすると、 「わたしは筋肉が嫌いで、柔らかいのが好きなんですよ。だから、スゴイ努力して、筋肉がつかないように生きてきたんです。」 「エレベーターやエスカレータには絶対乗って、車で行けるところは絶対車で行く。荷物もなるべく持たない、どうしてもの時は、肩から提げるんです。」 半分冗談めかしてだけど、結構本当みたいです。 それで、彼女の動きを見ていると、なんだか、あることが見えてきました。 「おっとっと」になることは、重要なんだ、と言うことです。正しい姿勢になっていないと、「おっとっと」になるんですよね。しかし、筋肉があると、耐えちゃって、なかなか「おっとっと」にならないんです。Mさんの場合には、すぐに「おっとっと」になるので、よっぽどバランスの取れた場所に身体が来ていないといけない。身体を正しい位置に来ているのを感じるには、筋肉がない方が感じやすいかもしれません。 もちろん、ジャワ舞踊でも、筋肉は使います。特に男性舞踊では。でも、体の表面にある筋肉ではありません。踊っている時に、腕に筋肉の筋が浮いてはいけません。息を「スゥー」と吸いながら、身体を開いていくような感じで、筋肉を使います。 ほとんどの動きは、筋肉やそれを繋ぐ筋が突っ張らないように動きます。 こういう感覚はなかなか分かりにくいのですが、Mさんは、 「分かります。わたし筋肉無いので、すごく分かります。」 と言ってくれました。ある意味、すごくラジカルな身体と言えるのかもしれません。 非筋肉系のダンスの誕生です。 ジャワ舞踊には、筋肉から解き放たれた「ゆるゆる」した部分と、身体の細部に至るまで気を張り巡らせた「ピリピリ」した部分とが同時に存在します。 筋肉や筋が突っ張らないようにして、骨が下から順番に並んでいるのを感じて立って、傾いた時にかかる重力を感じて、身体を内側の筋肉でやさしく支えながら、なめらかに動いていく。そんな感じで踊られれば最高!

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