2013年1月18日金曜日

ホイリゲで乾杯! (2007/11/06)

書き続けている旅日記だが、やっと10月3日まで進んだ。旅は10月10日に終わるので、後一週間分である。そもそもこの旅は、もう何年も前にオーストリアのクレムスである現代音楽フェスティバルのディレクター、ジョー・アイヒンガーが中川真に出会ったことに端を発している。真さんはこれまでジョーに、サウンドアーティストの鈴木昭男さんを紹介したりしていたのだけれど、いよいよ今年は自分も参加しているIピクニックで出演しようということになったのである。 

そして真さんの提案で、クレムスのいろんな人たちともワークショップをして作品を作り、コンサートにも一緒に出よう、ということになったのである。しかし、こんなハードスケジュールになるとは・・・。クレムスについて以来、旧市街の中だけを行ったり来たりし、ワークショップばかりしているのだ。コンサートは日曜日に迫っている。 

さて、旅日記の続きを書こう 








10月4日木曜日 
8時、ホテルで朝食。いろんな穀物が入った黒いパンがおいしい。9時45分、シュタイン小学校へ。旧市街地からやや丘に近い方にある。校庭には、大きな木が何本も立っている。教室に入ると、1年生が、みんな行儀良く座っている。Funk und Kusteの大人達と作ったデタラメ日本語の歌をみんなで歌ってみるが、雰囲気が硬い。担任の女の先生が頑張ってくれて、差し棒でピシピシと黒板の歌詞を叩くので、ますます空気が硬くなっていく。子供達の後ろにそぉっと回り込むと、みんなポケモンカードをいっぱい手の中に持って、チラチラ見ている。 

校庭出ることにした。子供達が走り出した。大きな針葉樹にみんな登り始めた。女の子達も登っている。みんなで丸くなって座った。僕がジャワ舞踊を踊って、子供達を誘うと、みんな良く反応してくれた。やっぱり外でやるのは気持ちがいい。ダンスも段々調子が出てきた。野村クンが先生と一緒に、鍵盤1枚だけのシロフォンをいっぱい持ってきた。これを使って音楽をすることになった。校庭脇に建っている石造りのアパートの屋上では、作業をしているおじさん達が眺めていた。 

12時、「何もありませんが、もしよろしければ、どうぞご一緒に!」と誘われて、中庭の木のベンチとテーブルでランチをすることになった。パン、ハム、チーズ、ハンバーグ、ピーマン、キュウリ、ラディッシュ。生野菜がおいしい。手作りのランチ。デザートに、銀杏の葉っぱのようなアップルパイが出た。粉砂糖がかかって熱々である。おいしい!子供達は、中庭を走り回っている。 

13時、午後のワークショップ。鍵盤1枚だけのシロフォンで両側を囲み、中をダンスエリアにした。僕と子供3人がダンスをし、次々と交代していくルールができた。最後には、なぜか「ポーケー、モン」と大合唱になり、それに合わせてカエル跳びが始まった。担任の先生がなぜか大ウケしていた。 

15時、Minoriten教会でコンサートの打ち合わせ。その後、事務所でインターネット。 

夜は、ジョーがホイリゲに誘ってくれた。ホイリゲとは、ワインの醸造所の近くにあるワインレストランのこと。ホテルから車で山道を20分ほど行くと、丘の上にあるひっそりとしたホイリゲに到着。ドゥルンスタインという隣町である。通訳のはる香さんによると、ワインで有名な町で、彼女も是非一度来たかったそうだ。古民家のような雰囲気で、看板も上がっていないが、中に入ると賑わっている。いくつも部屋があり、暖炉の前では、食事を終えたであろう老夫婦がゆっくりとワインを飲んでいた。僕たちは、奥の方の部屋に通された。大きなワインの樽がたくさんある部屋だ。しばらくすると、フェスティバルに招待された他のグループのメンバーもやって来た。ドイツ、オランダ、アメリカ、カナダなどから来ている。それぞれいろいろ注文したが、ジョーのお薦めはなんと言っても、Sturmというワインのどぶろくである。Sturmは英語のstormで、嵐という意味である。濁っていて、飲むとまるで嵐のような音が聞こえるということだ。街でも飲めるが、出来たてのものとは味が全然違うそうだ。飲んでみたが、なかなかおいしかった。この日は、野村クンの39回目の誕生日だった。みんなで祝った。僕と彼とは同学年だが、これで12月までは彼が1歳年上になった。

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