2012年12月31日月曜日

セミとカエル (2007/08/10)

豊能の家に越してきて以来、毎年盆前に、マルガサリのまっちゃんと大家さんの庭の植木剪定をしている。築100年をこえる立派な日本建築と庭園である。そこに80歳をこえるおじいさんとおばあさんが住んでいる。 

家にはアルミサッシもなく、風呂は薪である。薪で残った炭は煮炊きの一部に使っている。ものすごくお金持ちなはずなのに、とても質素な暮らしをしている。 

庭には、樫、樅、松、梅、槇、ツツジ、ハゼ、椿、モミジ、アゼビ・・・まだまだたくさんの木々が植わっている。ツツジの下では、山椒がいい匂いを放ち、松のてっぺんでは、青い松ぼっくりがぬるっと光っている。 

今日は快晴の下で、7日間かかった剪定がやっと終わって、植木の残の掃除をした。飲んでも飲んでも麦茶が汗に変わっていく。脳みそがフツフツと泡立つようだった。クマゼミの鳴き声を聞き、手を動かしながら思考の散歩をする。蝉の声が聞こえなくなっていく。一瞬、思考が停止すると、巨大な庭石が鳴きはじめたように聞こえた。 

母屋の裏手に回るとモミジがあり、その葉っぱを集めていると、不意にカエルが池に飛び込んだ。 

ちゃぷーん。立派なトノサマガエルだ。 
薄暗い静かな池に一音。後は、音もなくスイ〜とカエル泳ぎ。 

永遠に続くようなゼミの音はいつしか無音になり、一瞬に消え去るカエルの水音は永遠に続く静寂を打ち破る。 

あ〜、俳句の世界だ。しみじみと感じました。 

掃除は無事終わりました。しかし、屋敷の外には、まだ庭が広がり、そちらの木々の手入れが残っています。こちらは、涼しくなってから取りかかる予定です。 

セミとカエルは、マルガサリの「桃太郎」の中にも出てきます。まもなく公演が迫っています。

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