小谷野君にも久々に再会した。始めて会ったのは、96年1月のバンドゥンだ。僕たちは、インドネシア政府の奨学金ダルマシスワの同期生だった。世界中から80人くらいの留学生がこの奨学金で、文化や芸術をインドネシアの各地で学んでいた。彼はバリで、僕はジョグジャで、それぞれ舞踊を習っていた。留学生が一堂に会して、それぞれの成果を発表する会がバンドゥンであったのだ。
彼は当時すでに長くバリ舞踊を習っていて、バリスを踊った。楽屋でどんなコンポジションで踊るのかを考えていた。僕は留学して半年で、まだジャワ舞踊は1曲も踊れなかった。大学で学んだスンダの舞踊を踊った。人前で、生まれて初めて一人で踊った。
コンサート以外にも、火山へ行ったり、田舎の村へ行ったりした。火山の近くで一緒に取った写真がある。当然だが、二人とも若い。僕は27歳だった。でも、当時は20台も後半にさしかかり、
ええ年やなぁ。なんとか踊れるようにならな、大変なことになるな。
と思っていた。大学をやめて日本でフラフラしていた僕は崖っぷちに立っていたのだ。
昨晩、スペース天の薄明かり中で、桜井さんの伸びやかな歌声や小谷野君の張りのある堂々とした声を聞きながら、そんなことを思い出していた。東京から来た彼らに、中川真さん、佐々木宏実+ロフィー夫妻、小林江美さんが合流して、今晩と明日、天王寺のロクソドンタで公演がある。
■異文化集合影絵芸能「水の女神」公演
出演:桜井真樹子(声明、語り)、小谷野哲郎(影絵、語
り、仮面舞踊)、徳久ウィリアム(節談説教、ヴォイス)、五十
嵐柾美(ベリーダンス)、山岸天平(影絵)、中川真(ジャワガムラ
ン)、HANAJOSS(ジャワガムラン、影絵)、小林江美(バリ
ガムラン)他
夢の中で女神が語った物語を影絵を中心として現実と幻想のはざまに紡 ぎだした作品。水野女神を奉じる人々の盛衰を通じて女神への祈りと成す。
声明、ガムラン、ホーメイ、節段説教などの語り/ボイス/音楽がつく
りだす儀式的な空間に浮かぶ光と影。舞を舞うのは人か女神か。
2006年暮に初演の後、上演ごとにファンを増やし続けている作品の20007大阪特別バージョン。
8/30(木)19:00
8/31(金)19:00
《料金》
/前売り(「水の女神」) 2500円
当日券(「水の女神」) 2800円
《チケット予約・問合わせ先》
ロクソドンタ ブラック
ネットショップ→http://
メール→loxo@thekio.co.jp
電話→06-6629-1118(平日10時~18時)
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