2013年1月7日月曜日

ワークショップ三昧 (2007/10/13)

今日は、理学療法士の玉地先生のリクエストで、学生達に身体についてのワークショップをした。 
なるべく筋肉を使わない動きなどを通じて、学生達に、いかに自分たちが身体のことを分かっているようで分かっていない、ということを分からせて欲しい 
という難しいリクエストだった。 

さて、旅日記の続きを書こう。まだ1日目である。出発前、日曜日の朝に起きて、チタチタレストランでインドネシア語のレッスンを4クラスして、それからずっと起きているのだ。 

9月24日月曜日 
19時過ぎにマンチェスター発ヨーク行きの電車に乗った。ハダスフィールドで各駅停車に乗り換え、マルスデンという無人駅で下りた。この駅の近くにあるコンサーバティブ・クラブで、野村クンの友人達がコミュニティミュージック・バンドの練習しているのだ。シトシト雨が降っている。旅行カバンのキャスターが石畳をコトコト叩きながら、坂道を下りていく。クラブで、野村クンは友人達に再会。僕は、ホットレモネードを両手に持って、居心地のいい椅子を探した。 

練習後、野村クンはアンディの家に、僕はボブの家に別れて泊まった。ボブの家に入ると、暖炉の火の前で妻のタルとカナダ人のサラがワインを飲んでいた。眠くて倒れそうだったが、ワインをもらって少し話に加わった。サラが冬季オリンピックが開かれたカルガリーから来ている、ということぐらいは僕の英語力でもなんとか理解できた。2階に案内されると、人形がたくさんあって、天井に小さな万国旗の飾りが付いた女の子の部屋だった。今日から2晩は、この部屋の2階ベッドで寝ることになっていた。壁に書かれた絵に、LEAHと書かれてある。ありがとうレア、夫婦と彼女は屋根裏部屋で寝ているのだ。日付が変わる頃、48時間ぶりに寝床に付いた。しかし、明日は朝からいきなり小学校でワークショップがある。あれをしようか、これをしようかと気になり、夜中に何度も目が覚めた。 

25日 
目が覚めて、窓にはまった木の扉を開けると、どんよりとした雲の下に教会の屋根が尖っていた。朝食をとりながら、息子のジョーと娘のレアを紹介してもらった。朝は機嫌の悪いボブの愛車シトロエンに乗って、野村クンをピックアップし、パドック小学校へ向かった。 

まずは、2年生が相手のワークショップ。即興パフォーマンスグループを主宰するボブが子供達を引きつけている。子供達は、いろいろな人種が混じり合っていて、みんな明るくて活発だ。僕の番になった。子供達の輪の中に滑るように入っていった。子供達が動きのひとつひとつに反応してくれる。心配が一瞬で、吹き飛んでしまった。ひとりまた一人と輪のなかに入ってきて、次々と僕とダンスを作った。言葉は要らなかった。最後には、インドネシア語や日本語を使って、声と動きのダンスをみんなで作った。ドシンドシン・マーチが出来上がり、野村クンのピアノに合わせて、ドッシーン、ドッシーン、と講堂中をみんなでダンスしながら大行進した。 

次は5年生。今度はオペラを作ることになった。ボブが演劇、野村クンが音楽、僕がダンスを担当した。グループに分かれて、ダンスを考えた。ここでは、英語力が必要になってきた。子供なので、ゆっくり喋るとか、分かりやすい言い回しに変えるなんてことをしてくれないので大変だった。しかし、しばらくすると子供同士が話し合って、通訳してくれる子供も現れた。なんとかかんとか、ダンスができた。それから、それぞれのパートを繋げることになった。ボブが子供達の考えをうまく引き出している。ひとつの作品を作りながら、自分で考えること、人の意見を聞くことなどを子供に理解させていく。大いに参考になる。そして、最後には、ひとつの作品が出来上がった。 

午後は、ボブが主宰するグループの人たちとワークショップである。とにかく今回の旅は、ワークショップ三昧なのだ。 

ボブは、アメリカ人のケルマンという人が作り出したケルマン・メソッドを使って、即興のパフォーマンスをするグループを主宰している。そのメンバーが集まって、僕たちとワークショップの交換をすることになった。演劇的な感じがしたが、僕はかなりの親近感を感じた。僕がジャワ舞踊を披露した後、将棋作曲も試みた。その頃には、レアも小学校から駆けつけた。レアのペンギン・ダンスから、将棋作曲がスタートした。ボブ、タル、レアの家族3人が参加している。いい光景だ。 

一旦、ボブの家に帰り、野菜スープとパンの夕食を取った。具だくさんでとてもおいしかった。タルは手際が良くて、とてもテキパキしている。皿洗いを手伝うと、お皿を洗ってくれるんだったら、いつ泊まりに来てくれてもいいわよ!そして、たまには小学校へ行って、ワークショップして稼いで来てね!と大笑いしていた。 

夜は、LBTというハダスフィールド大学近くの芸術センターへ行った。そこで、野村クンとヒュー・ナンキヴェルが宮城県のえずこホールとハダスフィールドのグループとで共同制作しているホエールトーン・オペラのグループの練習に加わった。オペラの中の数曲を練習した。この楽譜は、最近出版されたホエールトーン・オペラの記念本に載っているが、誠に痛快な楽譜である。僕も殿様役になり、大いにこの演奏に参加した。 

なんという一日か!

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