5月4日から、スペース天で「森のコモンズ」が始ります。コンサートやインスタレーションの展示があります。
僕は、次のプログラムに出演します。
5月10日(土) 18:30~
場所:スペース天近くのダムと棚田
演目:「愛の讃歌」(三輪眞弘作曲)
野外でさわさわと
5月10日(土) 15:00~
場所:スペース天
演目:「For Gender」(デビッド・コットロゥイ作曲)
響きに共鳴してたゆたうように
5月10日(土) 20:00~
場所:スペース天
演目:「クロノ・アルス・ジュンクンマルデヨ」(ジャワ古典舞踊)
静けさをたたえて
5月11日(日) 10:00~
場所:スペース天近く、TeNBA-A、棚田、森
参加型プログラム:「あたらしいダンスの発見」
伊藤愛子さんと共に、あたらしいダンスの発見に
2007年のザ・フェニックスホール、碧水ホールに続いて、三輪眞弘さんの「愛の讃歌」。ついに野外へ飛び出します。「愛の讃歌」に関して、すこし振り返って見ました。
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三輪眞弘さんとマルガサリのコラボレーション作品である「愛の讃歌」は、2007年3月に、ザ・フェニックスホールで行われた「ガムラン・コモンズ」のコンサートで初演された。
その公演からさかのぼって、2005年12月、中川真さんと共にイアマス(岐阜県立情報科学芸術大学院大学)の三輪さんのオフィスを訪ねた。5年越しで取り組んでいた桃太郎の次のプロジェクトとして、三輪さんに作品を書いてもらうためだった。三輪さんは大いに関心を示してくれて、三輪さんとのプロジェクトは数年がかりで取り組むことになった。(その後、桃太郎は進化を続け、現在でもプロジェクトは継続中。今年は、インドネシア公演を行うことになっている。)そして、マルガサリがザ・フェニックスホールから公演を依頼されたのを受けて、2006年10月に再びオフィスを訪れた。三輪さんとのプロジェクトの第1段階として、ザ・フェニックスホールのコンサートに向けて作品を制作することになった。12月には、三輪さんから曲に関する具体的な指示の書かれた最初のメールが送られてきた。
FourBits-Gamelan の準備
と書かれており、以下のような指示が書かれていた。
・・・
下記、4つの o と x からなる、0から16までのリズムパターンを番号に従っていつでも演奏できるように暗記してください。その際、o は16分休符、x は16分音符とし、リズムパターンひとつが4分音符のまとまりと考えます。
0: o o o o 8: o o o x
1: x o o o 9: x o o x
2: o x o o 10: o x o x
3: x x o o 11: x x o x
4: o o x o 12: o o x x
5: x o x o 13: x o x x
6: o x x o 14: o x x x
7: x x x o 15: x x x x
・・・
2進法が4桁まで進んでいくのが楽譜になっているのだ。マルガサリのメンバーは、口や手拍子で試みた。器用なメンバーはすぐに理解し、すぐにかなりのスピードで出来るようになった。美術が専門のHさんが意外なことを言い出した。
「私には、月の満ち欠けのように考えた方がやりやすい。」
左から右へと時間が進行する楽譜と考えるのではなく、「田」の字のように4つのマスを考えて、o を明、x を暗、と考えるというのである。さすが美術家、頭がビジュアルである。僕はダンサーなので、そのビジュアル案を動きに変えてみた。
親指を上にしてグーを握る。左右の手を合わせる。二人組になって4つのグーを合わせる。つまり、「田」の字を手で作るのだ。o は、親指をそのまま、x は、親指を立てる。
相手 手手 3桁4桁
自分 手手 2桁1桁
という風にすると、0番から順番に、
0
o o
o o
1
o o
o x
2
o o
x o
3
o o
x x
4
o x
o o
5
o x
o x
6
o x
x o
7
o x
x x
という具合なる。最初は混乱するが、慣れるとすぐに早くできるようになる。しばらくすると、あることを発見する。自分の右手、つまり右下の1桁目は、規則的に動いているのだ。
o x o x o x o x
とくり返している。オン・オフの繰り返し。まさにデジタルの動きなのだ。このことは、手や手拍子でしている時、あるいは、月の満ち欠けで考えている時は、そんなに感じられない。この後、僕たちは、これ以外にもフォービッツ・ガムランの中にいろんな発見をしていくのだった。
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