2013年8月27日火曜日

パーティ三昧 (19/05/2010)

5月11日 
石橋でやっているジャワ舞踊教室が終わってストレッチをしていると,野村誠さんから電話がかかって来た。コンテンポラリーダンスの砂連尾理さんの家にいるから、遊びに来ないかと。どうやら、野村さんは僕たちを引き合わせたいようなのだ。僕は昔から、「フットワークは軽く,迷ったら行く!」をモットーにしているので,この日は早朝から出ずっぱりだったんだけど,行くことにした。高槻のお宅まで車で45分。手巻き寿司を囲んでパーティ,野村誠さん、藪公美子さん、砂連尾理さんと奥さんの瞳さん。砂連尾さんがハイテンションで、山に登る話,パラレルワールドの話,波の話などを語ってくれる。こっちも、テンションをあげて、坂を転がる話,子どもが老人に見える話,田んぼがつながっている話などで、応戦した。 

野村誠さんがブログに書いている。理×新 
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20100511#p1 

5月13日 
19時から梅田のヒルトン・ウェストの13階にあるニコンギャラリーで、柴田れいこさんの展覧会と写真集「Sakura さくら」の記念パーティ。ブナとイウィンさんも一緒。梅田のこっちの方へ来るのは久しぶり。すけすけガラスの向こうをライトに照らされたエレベーターがすごい勢いで行き交っている。田舎暮らしに慣れたからだがざわざわ騒いでいる。嫌な感じではない。 

柴田さんは,日本で暮らす外国人女性の写真を撮っていて,4年くらい前にイウィンさんを撮りに我が家へやって来た。雑魚寝で泊ってもらって,早朝の田んぼにイウィンさんと撮影に出かけた。それからしばらくして,黄金に輝く稲穂の前で曼珠沙華色のクバヤ(ジャワの伝統衣装)を着たイウィンさんの写真が送られて来た。とてもきれいに撮れていた。そして先日、立派な写真集が送られて来た。何十人もの外国人女性が民族衣装を来て,田んぼや神社や街角にたたずんだポートレイト集。 

会場に入ると何人かのモデルになった外国人女性が来ていた。イウィンさんも声をかけられる。当たり前だが,みんな日本語でしゃべっている。ごちそうが出た後でイウィンさんに、「踊ったら?」と声をかけた。はじめは迷っていたが,気づけば自分で段取りをして,僕も引っ張り出された。ワイングラスで伴奏しながら、ジャワの歌を歌った。イウィンさんは、ワインを少し飲んでいたので,気持ちよく踊っていた。 

5月14日 
18時30分から大阪市大の高原記念館で、西純一さんの展覧会「ホワイト・バランス ― ある肖像」とトークとパーティがあった。イウィンさんとブナも一緒。夕暮れの大阪市大は、アメリカ製のグリーンのガラスがはまった巨大基地のような図書館とヤシの木がすくっと伸びた前庭がある古い2階建ての本部の建築が対照的。高原記念館は、ヤシの横にあるオシャレなギャラリー兼研究室。 

西さんは,こころに病を抱えながら,森の中でひっそりと暮らしている。僕の家から歩いて行ける距離だ。山に暮らすようになって,お互い10年以上,なんとなく段々と親近感がわいている。去年,彼は中川真さんに100枚の自画像を描くように言われたそうだ。この春に、99枚描けたので,この展覧会になった。 

会場に入ると,すでにトークが進んでいた。白いジャージに白いジャケットの西さんと中川真さん。「西さん,ほんとのこと話してますか?」と真さんが突っ込む。壁には,99枚の自画像。どれにも、眼鏡が描かれているが、表情はよくわからない。自画像の上に絵の具が流れ出たシリーズが続く。「自画像を描いてしまうと,もう描くことを止めることは出来ないんです。」「自分は甘えていたんです。弱いんです。」そのことを受け止めて行く過程。自画像は、すこし晴れやかになって行く。 

僕も、即興ダンスをすると,もうこれは止めることはできない、と思う。ダンスが生きていること,生きていることがダンスになってしまう。 

トーク終了後はパーティ。市大の近所にある韓国料理屋のオードブル。これがなかなかおいしかった。チヂミ、タコ酢、タケノコのピリ辛,フキの炊いたん、きずし、などなど。作った人の顔が思い浮かぶ料理だった。 
西さんのウェブサイト 日記に展覧会の写真があります。 
http://www.justmystage.com/home/2222/index.html 

5月15日 
いい天気,暑いくらい。千里万博記念公園で、ウドロウドロの集まり。イウィンさんとブナと出かける。母と妹も来る。1000人集めないといけないので,家族総動員である。スタッフも含めると30人くらい集まった。まずは楽器作りから。で、実際に40分間演奏してみる。前回に比べると,ひとり一人が出す音や動きに工夫をしたり,まわりの音を聞けている感じがした。参加してくれた神戸大学でコミュニティミュージックを研究していた三宅博子さんが、「はじめは、となりの人や前の自分の音との微妙な差異や相互作用に気がいくのだが、それを越えて数十分たつと、疲れ&若干の飽きとあいまって、それまでと異なる耳の次元でぼわーっと全体が聞こえる瞬間がくる。」という感想を日記に書いてくれた。僕の場合は,最後の3分がとてもいい具合になって,全体が混じるのを感じた。参加してくれた砂連尾さんもそう感じたようだった。 

次回の集まりは、6月12日@千里万博記念公園みんぱくです。詳しくはチラシをご覧下さい。 
・ホームページ(チラシだけ) 
http://www.1000ongaku.com/ 

この日の様子は、you tubeで見られます。 
http://www.youtube.com/watch?v=DTDluM-3F-g 
http://www.youtube.com/watch?v=Lh03sQuPQwY 

一旦、イウィンさんとブナを豊能へ送って,難波へ。精華小劇場で、平田オリザさんが劇場法について語るイベントがあったのだ。秋には可決される模様とのこと。課題はたくさんだが,劇場を芸術家の手に、というコンセプトには賛成だ。平田さんは、この件に関しては腹をくくっているそうだ。腹をくくってる芸術家にとっては、チャンスになるかもしれない。河内長野ラブリーホールの宮地さんたちと居酒屋へ。現場の難しさ,役場の無関心ぶりを聞く。 

5月16日 
奈良のたんぽぽの家の理事長、播磨靖夫さんが文部科学大臣芸術選奨を受賞したその記念のパーティが、ホテル日航奈良であった。僕は、オープニングでことほぎの舞を踊ることになっていた。ブナを豊中の実家へ預けて奈良へ。200人の立食パーティ、おなじみの顔があちらこちらに。奈良知事,奈良市長,大阪大学学長の鷲田清一さんの姿も。会場には、張りつめた空気が流れていた,その空気をゆっくりと吸い込んで、ゆったりと舞った。会場にいあわせる人たちと一緒に、いい空気を作り上げて行く,そんな感じ。気持ちよく舞えた。 

わたぼうし音楽祭とエイブルアート・ムーブメント。アートを通じて、障がいある人たちに誇りと生きる勇気を与えた,あるいは、障がいある人たちのパワーで、アートに風を吹き込んだ,そんな功績が認められたのだろう。30年以上前から,ずっと戦って来た播磨さんとその戦友たちのパーティ。 

2次会は,たんぽぽの家のギャラリーHANAの2階。手料理が並ぶ。モツァレラチーズとオリーブ油がかかったトマト,こんにゃくのピリ辛,大根サラダ,長芋がのったおにぎり、などなど。ホテルの食事もうまかったが,手料理が何より。みんな、お酒も進んでいる。1週間、パーティ三昧だったが,いつも車で移動なので,僕はお茶。家へ帰ってひとりで乾杯した。

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