2012年12月31日月曜日

ガムラン コモンズ (2007/03/31)

あっという間に日が経ってしまいました。日曜日に、フェニックスホールでコンサートをして、もう土曜日です。 
来て下さった方々ありがとうございました。また、何人かの方々が感想を書いて下さいました。どうも、ありがとうございました。今後の糧として、ますますいい舞台を作っていきたいと思います。 

おかげさまで、ホールは満員になりました。スタッフの方が楽屋の椅子まで持っていくほどの盛況でした。最後の演目、ラハルジョさん作曲の「GEMPA 地震」の終演後は、拍手が長く続き、3度のカーテンコールをしました。感激でした。 

そのラハルジョさんは、3月16日に来日して以来、我が家ウロコ庵に滞在しました。我が家のブナもとてもかわいがってもらいました。普段は、あまりインドネシア語を話さないのですが、ラハルジョさんと遊んでもらいたい一心で、随分インドネシア語が上達しました。今週、木曜日キャセイ・パシフィックに乗って、香港経由で帰国しました。直前に、ガルーダの事故があったからです。結局は、ジャカルタからは問題の路線に乗るわけですが・・・ 

さて、コンサートですが、前半は古典曲2曲。後半、鈴木さん、三輪さん、ラハルジョさんの3作品。トータルで3時間に及ぶ長いコンサートでした。小暮さんのブログによると、終演は18時2分前だったそうです。前半、楽屋のいたのですが、前日のリハを聞いていると、1曲目のグンディン・ボナンの終盤でいよいよ音量が増してくると、やがてサロンとボナンの音が大きな渦巻きとなり、フェニックスホールの高い天井へと舞い上がっていくのが見えました。 

実はこの曲で、僕は踊りたかったのですが、今回はじっくりガムランを聴いてもらおうと思ったり、いろいろ考えることがあり、踊りませんでした。しかし、いずれは、本来は舞踊曲ではないけれど、精神と身体が飛んでいって踊りそうになるこのタイプのガムラン曲でも踊りたいと思っています。 

鈴木曲では、頭を剃って、懐かしい白のトレパンの上下姿でイウィンさんと一緒に踊りました。このトレパンは、阪急池田に駅前商店街にある由緒正しい「キタダ洋品店」で見つけました。なんだかジャワの百貨店を彷彿とさせる佇まいの店です。 
この作品では、古代の儀式のように、ある特殊な能力を持った人が普通の人が感知できない微妙な信号をキャッチして、それを動きに変える。そして、それを美やダイナミックな動きとしてダンスに表し、人々を見入らせる(魅入らせる)。と、なかなかこんな風には行きませんが、そんなイメージを持って踊りました。 

三輪作品では、僕は踊らず、HさんとOさんが踊りました。この二人と共に、三輪さんの作品からアイデアをもらい、ダンスを作っていきました。今回の三輪さんの作品は、2進法の演算が元になっています。ある法則だけがあり、それに則った運動が自己生成をくり返し、音楽を作り出していくという考えは、僕がジャワ舞踊に抱いているダンスの感覚とものすごく近いのです。 

重力、遠心力を感じながら、 
骨や筋肉の付き方を感じて、 
音やその場の空気を信号として受け止めて、(但し記号的にではないブレーキの音、ポリタンクを叩く音、という風に聞くのではなく、音の揺らぎ、ニュアンスを聞き取り、そこに運動や方向性を感じる。) 
他の人や物や場に気持ちやリズムを同調させて、 
踊る。 

こういったことを手がかりに、身体表現のワークショップをくり返して、作品を作っていきました。今回、試みのすべてを達成させることはできませんでしたが、三輪さんとの試みは今回がスタートで、これから始まるプロジェクトなのです。その第1段階として、今回のコンサートがありました。次は、9月の碧水ホールで続編を公演します。 

ラハルジョ作品。地震になって踊りました。Oさんからは、「桃太郎」に引き続き「不穏なダンス」が素晴らしいというコメントをいただきました。この作品は、細部に至るまで楽譜が出来ていたので、最初は踊るつもりはありませんでした。しかし、どこかで踊れるチャンスはないか?作品の良さを引き立てることは出来ないか?と思いながら、練習につきあっていました。前日リハの最後に、あの場面で踊ることをひらめき、やってみました。翌朝、ラハルジョさんと会って、話をすると、彼も賛成してくれました。また、再演の際には、さらに膨らまして欲しい、と言ってくれたので、考えてみたいと思っています。この作品は、5月27日の地震の1周年に、神戸のCAP HOUSEで「マンディ サマサマ」というイベントの中で、再演する予定です。 

なかなか盛りだくさんのコンサートでありました。 

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