2012年12月15日土曜日
カラスの羽 パート2 (2006/11/18)
昨日、近所の「スーパー大安」へ行った。なんの取り柄もない田舎の小さなスーパーである。賞味期限直後!のうどんがタダで持ち帰り可能だったり、へこんだビールが格安で売っていたりする、男前のスーパーだ。気まぐれで置いてある地元産の野菜と自分のところで捌いている牛肉コーナーは少し力が入っている。冬になると獅子肉や鹿肉が並ぶ。
駐車場へ車を止めると、スーパー裏の2階から吊り下げられたチェーンにイノシシがぶら下がっていた。しかも2頭。近寄って見てみると、お腹が一直線に切り開かれている。
「うわっ、お腹が切れている。痛そうや。」
と、ブナがつぶやく。
「これがおいしい肉になるんやで。」
と、答えたが、結構リアルである。
もちろん、うちの近くはイノシシはたくさんいて、生きているイノシシはブナも目撃済みだ。すこし、ショックのようだったが、
「今度鍋にして食べよう。」
というと、
「まっちゃんも呼んで食べよう!」
と、ご機嫌であった。
さて、昨日「カラスの羽 パート1」をここに掲載しましたが、今日はその続きです。パート3で完結します。
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8月27日の「音楽ノ未来・野村誠の世界」コンサートの前日、集合時間より早めに水口に着いた。木、金、土、日と4日間連続である。我が家のある豊能町から100キロちょっと、2時間余りの運転だ。普通は名神を栗東でおり、1号線で向かうのだが、僕は毎回違う道を通る。なるべくいろんな道、小さい道を選んで走るようにしている。この日は、京滋バイパスを瀬田東で下り、信楽を経由して307号線で水口へ向かった。水口へ入る前に峠があり、一瞬、水口が一望に見渡せる。町の真ん中にお椀を伏せたような山がある。あっ、あった、あった。あそこにしよう。古城山。標高282,9メートル。車で途中まで上がれるのを確認し、待ち合わせのホテル ニューミフクへ向かった。
総勢10名。野村誠、野村幸弘、尾引浩志、片岡祐介、林加奈、中川真、スボウォ、アナン、赤羽ミキ、そして僕。みんな思い思いの楽器を持って頂上を目指した。僕はダンスなので手ぶら。山を登っていくと、あちらこちらにカラスの羽が落ちていた。きれいだったので、ひとつ、またひとつと拾っていった。頂上手前の平らになった林で、ひとまず腰を落ち着けることにした。僕たちの即興に、始まりの合図はない。
去年、ジャワのあぜ道を歩いていた時に、気づくとスボウォさんのサンダルが音とリズムを奏でていた。ええっ、と思った時は、すでに数人のアンサンブルになっていた。油断も隙もない人たちである。
僕は、割にスロースターターだ。その場の景色、音を感じる、じっくり感じる、何も湧いてこなければ無理には踊らない。とにかく身体をリラックスさせ、周りの環境になじむ。集めたカラスの羽を順番に並べてみた。それを扇のように手に取ってみた。ちょっとカラスのように踊ってみた。踊りながら手裏剣のように投げると、思いの外まっすぐピュッと飛んだ。
それぞれが思い思いに即興をしている。だいぶと時間が経った頃、尾引さんが口琴を奏で始めた。アナンさんも隠し持っていた口琴を取り出し、二人で向かい合って弾きはじめた。地面に落ちたカラスの羽を1枚手に取り、二人の間に入れてみた。音の波が羽に押し寄せる。羽が音にそよぐ、動いていく。何かの力が感じられた。
しかし、なんの力だろうか?神秘的なものなのか?カラスの霊か?僕は、あまり霊的なものは感じないタイプなので、冷静になろうと務めた。本当に自分の力でないのか、確認した。どうやら、自分の力ではない何かが羽を動かしているのは、確かなようだ。では何なのか。不思議な話は次へ続く。
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