2013年4月8日月曜日

プライベート美術館 (2009/11/26)

11月25日 
7時前に家を出て,関空へ。イウィンさんとブナは今日からインドネシア。11時発のガルーダに乗って行ってしまった。僕は12月2日に出発,それまでしばしの息抜き。心斎橋近くまで戻って,車をパーキングに入れる。6時間1000円。たんぽぽの家の森下さんに聞いていたプライベート美術館へ。障害のあるアーティストの絵画作品を、南船場にあるアパレル,雑貨,カフェ,花屋さんなどに展示しているイベント。 

プライベート美術館@大阪・南船場 主催エイブルアート・カンパニー 
http://www.ableartcom.jp/newsb/index.php?e=49 

御堂筋と阪神高速に挟まれた南船場は碁盤の目のように道が走っている。僕は南西角にいたので,あみだくじのように北東角にある難波神社を目指すことにした。まずは、45Rという服屋へ。こんなオサレな店に入るのは久々だなあ。なんとなく照れくさいので,「絵を見にきました。」と告白。「どうぞ、どうぞ。」と作品の前に案内してくれた。柳田烈伸さんの作品が3点かかっている。揺らぐような線だが,力強く,デッサンポイのントを押さえている。表情や目線が生きている。滲んだ水彩もすばらしい。絵の前には,服がかかっている。「服と絵が合っていますね。」と店員さんに言うと、「そうなんです。合わせたんです。」とキラキラとした目で答えてくれる。デニム地にこだわっていることや、売る前にしわを消したり風合いを出すために、一度洗濯することなどを教えてくれた。「今日は休みですか。」と聞くので,僕の話になった。ダンスやピクニックの話をとても興味を持って聞いてくれた。「この部屋でもピクニックできますよ。」と言うと,「どうぞどうぞ。」とすすめてくれた。神棚,立派な1枚板,洗濯機、ミシン,靴べら、そして服,どれもこだわりが感じられた。とても気持ちのいい時間を過ごした。お話をしてくれた女性のTさんは店長とのことだった。 

少し,北上して花屋のMusee de Fleurへ。クリスマスのデコレーションが始まっている。赤が鮮やかだ。一歩入ると、ムアッと香りが胸に深く入ってきた。花をよけながら奥に伸びた狭い通路を入って行く。店長さんとリースを作っている女性が二人。壁には、藤橋貴之さんの色鉛筆絵画がかかっていた。藤橋さんの絵は前にも見たことがあったが,花の色と相まって,一層と鮮やかに見えた。たくさんの人が街の真ん中の凍った池でスケートをしていた。空には月が上がり,星が雪になって中央のクリマスツリーに降り積もっていた。店長さんが、1枚1枚丁寧に絵を説明してくれた。 

あみだくじを右へ曲がって、イッセイミヤケのELTTOB TEPへ。白い壁がスタイリッシュな店内。レジの向こうに,たんぽぽの家の山野将志さんの絵がかかっていた。山野君とは月に2回ダンスをする仲である。ウェブで見ていたより,断然色がいい。話しかけてきてくれた店員のMさんとゆっくりと絵を見て回った。白い壁のシンプルで研ぎすまされた空間に山野君の絵が映えていた。原色に近いパステル調の色が絶妙な配色になっていた。Mさんは奈良に住んでいるので,またたんぽぽへも遊びに来ると言っていた。「ダンスができないんですぅ。」というMさんに、「店の白い床に、無数の靴の跡が作った川もダンスですよ。」と言うと、目を丸くしていた。 

ここまで回って、あんまり面白いので,歩きながらたんぽぽの岡部太郎さんに電話をした。 

しかし、面白いのはここまでだった。他にも何件か店に入ったが,作品と店がコラボしていなかった。店員さんの心が開いていなくて,会話しようという空気が生まれていなかった。作品に関する敬意があまり感じられなかった。 

もちろん、お店は商売をしているので、店の理屈もあるだろう。店長はともかく,店員を育てるにはマニュアルも必要だろう。でも、こんなに個性的な絵を店に飾るんだったら,いつもと違う何かが生まれるのをもっと楽しむ遊びや余裕があってもいいんじゃないかな。きっとそのことは商売のプラスにもなるような気がするんだけど・・・。会期は、まだまだ残っている,なにか変化が起こればいいなあ。

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